最近、DeFi界隈で注目を集めているデリバティブ取引所「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」。 その中でも特に異次元の利回り(APR)を叩き出し、話題となっているのが**「HLP (Hyper Liquidity Provider)」**という仕組みです。

画面上の表示では、過去1ヶ月の利回り(Past Month Return)が 120%〜130% という驚異的な数字を記録することもあります。
しかし、なぜこれほどの高利回りが可能なのか?そして、そこにはどんなリスクが潜んでいるのか? 今回は、HLPにUSDCを預けることの「真の意味」と、その収益構造について解説します。
1. HLP(Hyper Liquidity Provider)とは何か?
一言で言えば、**「あなたが取引所の“胴元(ハウス)”になる」**仕組みです。
通常、FXや仮想通貨の取引所には、ユーザーの注文を受ける「マーケットメーカー(MM)」が存在します。Hyperliquidでは、特定の企業ではなく、私たち一般ユーザーが資金(USDC)を出し合い、集団でマーケットメーカーの役割を担います。これがHLPです。
あなたはHLPという金庫(Vault)にUSDCを預けるだけ。あとはプロトコルが自動的にあなたの資金を使って、世界中のトレーダーを相手に取引を行います。
2. HLPの収益源:なぜお金が増えるのか?
HLPの利益は、主に以下の3つの要素から構成されています。これらは基本的に**「トレーダーが支払うコスト」**です。
- スプレッド(売買差益) HLPは常に「売り注文」と「買い注文」の両方を出し続けています。安く買って高く売るという、ごく小さな価格差(スプレッド)を積み重ねて利益を出します。
- トレーダーの損失(=HLPの利益) これが最も大きな収益源になり得ます。デリバティブ取引はゼロサムゲームです。**「一般トレーダーが負けた分(清算された分)は、相手方であるHLPの利益」**になります。市場の大半のトレーダーが負け越す相場では、HLPの資産は右肩上がりに増えていきます。
- 資金調達率(Funding Fee) 市場が過熱し、多くのトレーダーが「買い(ロング)」に偏っている場合、ロング勢はショート勢(HLP)に対して金利を支払う必要があります。HLPは逆張りをする傾向があるため、この金利収入を受け取れるケースが多いです。
3. HLPのリスク:お金が減るシナリオ
「胴元は必ず勝つ」と言われますが、HLPには明確なリスクがあります。銀行預金のような元本保証ではありません。
① トレーダーの大勝ち(PnL Risk)
もし、誰か(あるいは集団)が相場の方向を完璧に読み当て、巨額の利益を得た場合、その利益を支払うのはHLPです。 例えば、HLPが大量のショートポジション(売り)を持たされている状態で、価格が急騰した場合、HLPは大きな損失を被ります。トレーダーが勝てば、HLPは負けるのです。
② 含み損リスク(Inventory Risk)
HLPはマーケットメイクのために、常に何らかのポジションを持たされます(在庫リスク)。 例えば、「暴落しているコイン」を誰も買いたがらない時、HLPは仕組み上、そのコインを買い支える形になることがあります。その結果、価値が下がっていくコインを大量に抱え込み、資産評価額が目減りする可能性があります。
③ 資金ロック期間
HLPへの入金は即時ですが、出金には「Epoch(エポック)」と呼ばれる待機期間が必要です。 「今、暴落して損しているからすぐに逃げたい!」と思っても、出金申請から数日待たされる間に、損失が拡大するリスクがあります。
4. まとめ:投資すべきか?
HLPは、**「市場参加者の多くは長期的には負ける」「手数料ビジネスは堅実である」**という前提にベットする投資商品です。
- 向いている人:Hyperliquidの成長を信じている人、多少の元本変動(ドローダウン)には動じず、長期的な手数料収入を狙いたい人。
- 向いていない人:元本割れが許容できない人、短期的な利益を求めてすぐに出金したい人。
現在表示されている「APR 129%」 はあくまで過去の実績であり、将来を保証するものではありません。しかし、適切なリスク管理のもとでポートフォリオの一部に組み込むなら、非常に魅力的なキャッシュフローを生むマシンになる可能性があります。
まずは少額から、USDCを働かせてみてはいかがでしょうか?
(免責事項) 本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。DeFiプロトコルにはスマートコントラクトリスクが含まれます。投資は自己責任で行ってください。